キングダムの第5巻から登場する羌瘣(きょうかい)は、顔絶ちも良く男女問わず人気なキャラです。
巫舞(みぶ)で敵を倒す鮮やかな戦闘スタイルも話題になっていますね。
キングダムの羌瘣は壮絶な過去を抱えた、しなやかな強さを持ったキャラクターです。
今回は羌瘣の
- 史実の羌瘣とはどう違うのか?
- 心境の変化が垣間見えるセリフ
- 実写版の羌瘣は誰が演じる可能性があるか?
などなど、羌瘣の生き様や人物像について考察し、史実に沿ってどんな風にキングダムで描かれているかを一緒に考察していきましょう。
【キングダム】羌瘣の史実は男性?実際の活躍の様子を考察

羌瘣は飛信隊の女副長として、幻の刺客一族・蚩尤(しゆう)の名を継ぐ女剣士としてキングダムでは活躍していますね。
刺客とは、他人をつけねらって暗殺する(役目の)者ですが、
物語の中では絶大な人気の彼女、はたして実在したのでしょうか?
史実には以下の様に、たったの2行しか書かれていません。
紀元前229年に王翦(おうせん)、楊端和(ようたんわ)と一緒に趙の国を攻めた。
https://mangafull.jp/kingdom-kyoukai-matome
紀元前228年に、王翦と共に趙王である幽繆王(ゆうぼくおう)を東陽(とうよう)で捕らえ、趙を滅ぼした。さらに、兵を率いて燕を攻めようと中山に駐屯した。
実は羌瘣は男性?
この様に史実にも羌瘣の記録は残っており、大活躍をしている事は分かりますが、この2行だけでは、男か女かは明記されていません。
また、実際の春秋戦国時代でも、中国史全体を見ても、女性の戦士はほとんどいなかったと記録されているので、実際の羌瘣は、男性だった可能性が高いと思われます。
キングダムでは女性の剣士としたのは、マンガ的な味付けかも知れません。女性が全く出てこないとエンタメとしては華やかさがない理由もあると、原作者の原泰久も述べていました。
しかも刺客一族・蚩尤(しゆう)の出身だいう記述もない事も分かります。
では史実での羌瘣はどう活躍したか、史実の記録の範囲内で考察しました。
王翦、楊端和と共に趙を攻める

王翦(おうせん)、楊端和(ようたんわ)と一緒に趙(ちょう)の国を攻めました。
史実の中では、羌瘣の登場は鄴(ぎょう。現在の河北省)の戦いよりずっと後になってからです。
最初の戦いの記録は、王翦(おうせん)と楊端和(ようたんわ)と一緒に邯鄲(かんたん。河北省南部の都市)を攻めたというものです。
この前には趙(ちょう)は軍容(軍隊の装備・秩序・規律)を入れ替えていて、李牧(りぼく)と司馬尚(しばしょう)が主な人物でした。
そして桓騎(かんき)が趙を攻めましたが、李牧に負けてしまいました。
以降、奇襲攻撃に戦術を変えた秦は悪だくみを図り、李牧と司馬尚を見捨てたのです。
しかしすぐに趙を攻めずに、李牧が死んだ翌年に侵略を開始しました。
この侵略で羌瘣は王翦と共に武功を轟かせた事になります。
趙王を捕らえ趙を倒す

その轟かせた武功とは、邯鄲(かんたん。河北省南部)を攻め落とし、趙王を逃亡させた事です。
その後、逃亡先まで追いつめて、ついに趙王の捕獲を成し遂げ、趙を滅ぼしたのです。
しかしながら太子(たいし。王の世継ぎ)の嘉(か)を逃してしまい亡命政権が作られることになりました。
亡命政権とは、政治や宗教上の原因で本国を脱出し他国に逃れた後に建てた政権で、他国から正統性を認められているものです。
しかしながら、長年の宿敵だった趙を、王翦と共に滅ぼした実績があります。
実際に趙王を捕まえた人物が誰なのかは記録されていません。
もしかしたら、キングダムにおいては羌瘣が捕らえたと推測する事もできそうですね。
この功績により、大将軍に抜擢され新六大将軍になる可能性も期待できそうです。
中山に駐屯する

趙を滅ぼした以降は、秦に戻る事もなくそのまま中山(ちゅうざん)に駐屯(ちゅうとん)したと記録されています。
駐屯とは、軍隊がある地に留まる事です。
中山は趙の領地内にあり、燕(えん)や斉(せい)の国境付近の土地です。
この中山に羌瘣が駐屯したというのが最後の記録になり、これ以降は史実上では記載されていません。
なので、ここから先は想像の範囲内でしか描写できない事になりますね。
中山に羌瘣が駐屯したあと、政(せい)に対して刺客の荊軻(けいか)が送り込まれ、暗殺騒動が起こりました。
結果的に暗殺は失敗に終わり、その報復行為として王翦の軍をさし差し向け、燕の王都を攻め落とします。
この時に羌瘣が援軍に加わった記録は残っておりません。
しかし、中山の場所を考慮する限り、羌瘣が参加しても不自然ではない状況です。
ちなみに燕を攻める戦いでは、キングダム主人公の信も出陣した記録が残っています。
キングダムではここから寄進隊に合流し一緒に住めるのかもしれませんね
これ以降の史実記録は、現段階では発見されておりませんので、羌瘣に関する情報も調べようがありません。
この後はどんな活躍をしていつ死んだかも明らかになっておりません。
羌瘣の活躍の全体を通したまとめ
全体を通してみると、王翦との絡みが強く、史実の中では羌瘣は王翦の手下的な役割をしていた可能性も高いようですね。
そして、主人公の信との絡みの記述は一切ないので、交流があったかどうかも定かではありません。
燕戦の前のあたりから史実の縛りがなくなるので、今後はマンガ的な脚色を自由に沿えて活躍する事ができるので、「こんな羌瘣の人生があったら面白いな」と想像を膨らませて観る楽しみがありますね!
また、キングダムの作中で羌瘣の宣言通り、信の子供を産んで一時的に戦場を離れる可能性も考えられますが、羌瘣の性格から言って、再び戦場に戻る気がしてなりません。
まとめますと、史実では羌瘣は男性の可能性が高く、信よりも実は王翦と深く関わってきた人物です。
この史実に基づいてみると、羌瘣は一時期は飛信隊から離れたり、王翦軍に戻る可能性も出てくるかも知れません。
あれこれ想像するのもマンガの楽しみとして取っておくのも楽しそうです。
羌瘣の基本情報
所属: 秦
所属軍と役職:飛信隊(副隊長)
使用武器:緑水(りょくすい)
得意戦術:巫舞(みぶ。巫女の神楽舞)による超短期決戦型
性格: 口数は多くない・直感型・一度決めた事はやり遂げる
初登場:5巻から
羌瘣の性格の移り変わりが垣間見えるセリフ集
ここでは、羌瘣がキングダムに初登場してから今までに至るまで、セリフを通して垣間見える彼女の心境の変化をみていきましょう。
話しかけるなオーラ漂う初登場シーン

「羌瘣。嫌いなことはしゃべること、以上」
引用:キングダム 第50話
5巻で羌瘣がキングダムに初登場し、のっけからぶっきらぼうな自己紹介でした。
最悪な自己紹介ですが、クラスに1人はこんな人いますね。
マンガはキャラが命ですから、あえて極端な個性を出だしから見せ、短い一言で全てを語る場面設定なのでしょう。
ひたすら復讐に身を投じ続ける
「言い伝えだの、語り継ぐだの、あげくに技を教えろだの。何も分かってない奴らを見ると皆殺しにしたくなる。」
引用:キングダム 第93話
キングダムの中でも羌瘣は闇が深い人物です。ある意味メンヘラ気味ですが、メンヘラだからこそ羌瘣にはコアなファンが多いのでしょう。
キングダム初期の頃は復讐の為だけに生きる羌瘣でした。
たとえ復讐を果たせても気持ちが晴れる事はないと自分で知りながらも、復習でしか自分を肯定できない哀愁感漂うセリフです。
羌瘣自身は同情されるのすら好きでなさそうなタイプですね。
仲間と共に戦う中で徐々に心を開いていく

あなたみたいにガムシャラに生きる道もあっていいんじゃないかって思うよ。
引用:キングダム 第357話
羌瘣の精神的成長が垣間見えるセリフです。一族よりも自分の為に生きる道を模索する事を肯定できるようになった証ともいえますね。
信との出会いによって考え方も少しづつ変わっていった経緯を感じさせます。
復讐を果たした後に生きる意義を見つける

「私は精一杯生きるよ」
引用:キングダム 第363話
復讐のためだけに生きてきた羌瘣は、復讐を果たした後は命を絶つつもりでした。
そんな羌瘣を「生きよう」と決意させたのが信の存在です。
人は、環境によって信念すら変える事もあるのだと、私たちに教えてくれます。
信に想いを遠回しに告白する

「私も将軍を目指すぞ、信」
引用:キングダム 第364話
「二つ目は……お前の子を産む」
復讐もひと段落し、九死に一生の想いを共にした信とは、特別な感情が芽生えるのも自然な流れとなったのでしょう。
「お前の子を産む」と、あえて結婚して欲しい事を遠回しに言うところが羌瘣らしいですね。
いわゆる「吊り橋効果」という心理で、人はドキドキした体験を恋愛のドキドキと勘違いする生き物です。
アクション映画でも同じような展開を良く見かけますね。
苦難を共に潜り抜けたヒーローとヒロインのラストシーンは大抵がキスシーンになってたりしますよね。
実写映画「キングダム」の羌瘣 がいない理由
原作者の原泰久も脚本に加わった「キングダム」の実写映画が2019年4月に公開されました。
しかしキングダムのメインキャラの1人である羌瘣 は出て来ません。
なぜなら、映画「キングダム」の第1作目は、羌瘣が初登場する前の1巻~5巻前半までのストーリーだからです。
なのでここで中途半端に羌瘣が出る様なちぐはぐな進行にする事ができませんでした。
それにしても映画のパート1を、羌瘣が出てくる直前までの所までにするなんて、絶妙な焦らされ感がありますね(笑)。
また、以前に実写版のキングダムプロモーションビデオがリリースした時は、全日本中国武術チャンピョンの山本千尋さんが羌瘣役として、華麗な剣さばきで出演しておりましたね。
山本 千尋(やまもと ちひろ、1996年8月29日 – )さんは、元武術太極拳選手でした。 中国武術を3歳から習い、武術太極拳選手として世界ジュニア武術選手権大会で金メダルを2度獲得した後、女優へ転身した方です。とてもおキレイな方で、まさに天は二物を与えたと言える人です。
なので、山本千尋さんがキングダムの映画で知名度を一気に上げれば、女優として大ブレイクするキッカケになるでしょう。
実際、山本千尋さんは、キングダムの実写動画に出演後、2017年からスターダストプロモーションの所属になりました。
スターダストプロモーションは映画「キングダム」主人公の山崎賢人が所属する事務所であり、なおかつ美貌も動きも兼ね備えているとあって、今後の続編での出演が大いに期待されている女優さんです。
まとめ
羌瘣は実際は男性の剣士だったと知った時は意外でしたが、史実と忠実なばかりがマンガではなく、キングダムという世界観の中でどんな役割をするのかが興味深い所です。
ここで、作中での羌瘣の心境の変化をまとめます。
- 話しかけるなオーラを漂わせる初登場シーン
- ひたすら復讐の炎だけを燃やし続ける
- 仲間と共に戦う中で徐々に心を開いていく
- 復讐を果たした後に生きる意義を見つける
- 信に想いを遠回しに告白する
始めはぶっきらぼうな印象でしかなかった羌瘣が、仲間と共に幾多の苦難を乗り越えて心境が変わっていく様は、見ていて気持ちの良いものです。
現実にはあり得ない動きをしたり、性格が極端でメンヘラな一面もありますが、全部ひっくるめて、羌瘣に今後も目が離せません。
ぜひ原作にも目を通して、キングダムの世界観に触れてみて下さいね!
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