こんにちは!
映画『キングダム』で王騎(おうき)将軍役を演じた大沢たかおさん。
撮影時にはどのような心構えで演じ、考えながら演技に取り組んだのでしょうか?
今回は、実際にキングダムを映画館で3回見てきた私が、 大沢たかおさん本人がインタビュー等で語っていた語ったエピソードも交えて感じたことをお伝えいたします。
将の器を演じきる大役ですので、身振り、考え方など、色々と参考にしておきたいものがありました。
王騎の演技の為に15キロ増量の身体づくりに励む

もともと大沢たかおさんは俳優出身だったのもあり、どちらかというとスマートな体つきをされています。
それに対して今回の役である王騎はがっしり体型です。このままでは役の風格に追いつかないと感じたのか、撮影前に体重を増やそうと色々と試みたそうです。
そこで王騎の体格を再現するために1年以上かけて筋トレに励み、結果的に体重を15kg増量させました。
撮影時には75kgが90kgまで達していたそうです。
脂肪でなく筋肉を増やして15Kgも体重を増やすなんて並大抵の身体づくりでは不可能です。
これをみるだけでも大沢さんのプロ意識がうかがえますね。
大沢たかおさん自身が考える王騎の印象

キングダムの王騎役をやるにあたり、大沢さん自身も一通り原作コミックを読んだあと、どうやってこの役をこなそうか色々と模索されていたようです。
王騎は一言で表現するにはとても難しく、現実にはなかなかありえないタイプの人物像です。
このイメージを俳優の役によって壊しかねない恐怖心もあったと言います。
ただ、全く同じ人物として演じきることは難しいので、できるだけ原作コミックを忠実に再現しながらも、彼の今までの俳優経験をフル動員し、この難しいキャラクター役に向き合っていた印象がありました。
監督の佐藤信介監督と語り合ったこと
キングダムの中では、王騎はずば抜けた影響力と存在感のある人物だということ以外、監督とはあまり細かい打合せ話はせず、大沢さん自身が役作りに対して自分で考えるべきだと自覚しておられました。
そんな中、衣装合わせなどを通じて段々とこんな人物なのかとイメージが見えてきたそうです。
衣装合わせがなんとかあった時に鎧を作り直しながら色々なパターンを試していきました。
最初は原作コミックにすごく忠実な鎧が用意されていました。
しかし実際に鎧を着てみると逆にリアリティが感じられずどこか違うなという印象を持ったそうです。
それであれこれ思考錯誤して監督とともに微調整を繰り返し、撮影時の形になっていきました。
撮影までの間に何度も改良を重ねたやり取りがあったので、大沢さん自身も段々と役づくりに没頭していけたそうです。
鎧をつけての演技に悪戦苦闘

鎧を着けた状態での演技は、見るからに大変そうな印象を受けました。
鎧は、中国で作ったラバー製のものです。
一度着ると体が拘束され、動きの自由がきかなくなり全身が痛くなってくるそうです。
しかも一度着てしまうとなかなか飲むこともできず、その中でアクションをこなさないとならないので相当苦労されたのが想像できます。
4メートルある矛は30kg?!撮影にはクレーンまで使用
映画の出だしでは、王騎将軍が、長さが4メートルにも達する大きな矛(ほこ)を持ち歩き、広大な荒野の中を数百人もの兵士達と共に馬で縦断するシーンから始まります。
武器である矛は、重さの違うものが2種類用意されていました。
それをシーンによって持ち替え、撮影されていて、中でも一番重いものは30 kg もあったと言います。
二人で抱えなければ持てないくらいの矛を王騎が振り回すシーンでは、先端にロープをつけてクレーンで吊るしたそうです。
彼の動きに合わせてクレーンも一緒に動かす、相当手間のかかる撮影方法が行われました。
それだけの重さのものを実際に振り回すため、見た目も迫力バツグンです。
特に、大きな矛のたった一振りで10人ぐらいの敵兵をいっぺんになぎ払う様は、まるでゲームの世界みたいなブッ飛んだ描写でした。
中国のロケで特に印象に残った点

冒頭に登場するシーンで、幼い信(しん。主人公)が王騎軍を見かけるシーンの撮影がとても印象的でした。
延々と地平線が広がっているような草原の中、何十頭もの馬とともにぶっつけ本番で撮影されています。
日本国内ではなかなかそこまでの馬の数をそろえる事もままなりません。
しかも馬に乗っている方々は俳優さんではなく現地の中国人で、自分たちが所有する馬に実際に乗っています。
役者ではないからこそ逆にリアリティーあふれ、力強いシーンと感じさせてくれます。
大沢たかおさんの略歴
東京都出身の大沢たかおさんは1987年にモデルとしてデビューしました。
その後、1994年のテレビドラマで俳優としてデビューした後、95年のテレビドラマ『星の金貨』で一躍脚光を浴び、2004年の『解夏』ではアカデミー優秀主演男優受賞しています。
実力派俳優として数多くの映画やドラマで活躍し、2018年夏にはイギリスのロンドンで舞台にも出演しました。
主な映画出演作品は『世界の中心で、愛を叫ぶ』『眉山』『桜田門外ノ変』『終の信託』『藁の盾』(わらのたて)『風に立つライオン』『AI崩壊』などがあります。
まとめ
原作のキングダムは大変スケールの大きい作品ですので実写版で映像化するのは相当困難な作業だったと想像できます。
特に大沢さんが演じる王騎将軍は個性的過ぎて演技負けするんじゃないかと一部の人からは心配されていましたが、そこは長年の俳優経験の蓄積とたゆまぬ役作りにより、見事に最後までイメージ通りのキャラクターを私たちに魅せてくれました。
彼の演技はまさに主人公の信が目指していた天下の大将軍そのものでした。映画の中でも学ぶに値するセリフもたくさん出てきます。
ぜひ動画配信サービスなども利用して鑑賞してみて下さいね!
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